「襖の張替え」工場での張替え作業をご紹介

畳と同程度、もしくはそれ以上にご依頼をいただくことが多いのが、襖の張替です。
襖の種類によって張替作業の工程も変わってきますので、今回は襖の種類毎に工場での襖張替えの作業をご紹介いたします。

襖の種類については、過去のコラムもぜひご参照ください。

襖の種類

襖張替えにかかるお日にちの目安とご料金について。

張替作業ご紹介の前に、かかるお日にちの目安と料金について、簡単にご案内をさせていただきたいと思います。

襖お引上日を含み、最短4日(土・日・祝日を除く)がかかるお日にちの目安です。
(例として月曜日襖をお引上した場合は、木曜日が最短納品日です。)

紙の注文にお時間がかかる場合や、襖の数量が多い場合は、上記よりお日にちがかかる場合がございますので、まずはご相談ください。

ご料金は張替する紙によって幅がございます。
一番安価なものですと、枠の外からの大きさが幅949×高さ1899mm以内のサイズの襖の場合、1面の張替3,600円~にて対応しております。

襖紙についてはウェブサイトの下記ページもご参照くださいませ。

襖紙

本襖の張替作業

それでは、襖の張り替え作業について、種類ごとに紹介していきます。
まずは本襖から。本襖とは日本で使われている伝統的な襖のこと。
別名「組子ふすま」とも呼ばれ、組子という細い木枠に和紙を重ねて作り上げます。
日本の風土に適しており、通気性が良く、芯材がダンボールのダン襖と比べると反りにくくねじれにくいのが特徴です。

01. 引手→枠の順に取り外す

引手は金属ヘラを使って持ち上げ、釘を抜いて外します。
枠はバールと呼ばれる工具を枠と襖の間に差し込み、金槌で叩いて隙間をつくり外します。

02. 襖紙を剥がす

襖紙を細かい部分までしっかりと剥がしておくことで、新しい襖紙を貼った時に綺麗に仕上がります

※割れの部分がある場合は、襖内部の組子をホチキスのような工具「タッカー」で打ち付けて補修します。

03. 剥がした後、襖表面の凹凸をヤスリがけする

04. 新しい襖紙をカッターでカットする

枠に巻き込む部分を含めて少し大きめにカットします。

05. 新しい襖紙を糊付けする

本襖の場合、枠に巻き込む部分(紙の端4方向)に主に糊付けを行います。

06. 新しい襖紙を気泡が入らないように張り付けする

07. 取り外した枠の汚れを拭き取り、塗装の剥げている箇所は色づけを行う

※枠塗装の剥げている箇所は、多少の剥がれであれば部分的に修正塗りをして補修いたしますが、色によっては既存と色味の違いがでてしまう可能性がございます。
枠の傷が気になる方は枠の交換をおすすめします。

芯材がダンボールで出来ているダン襖は、枠がボンド付けして固定してあるため、枠取外しの際に本体破損の恐れがあり枠交換ができかねますのでご了承ください

08. 釘を新しいものに取り換える

09. 枠を取付ける

10. 引手等を取付けて完成

戸襖の張替作業

続いて、戸襖の張り替え作業について紹介していきます。
戸襖は組子の上にベニヤ板等を張り、その上から襖紙やクロスを張っている為、和室と洋室を区切る為に使われることの多い襖です。

01. 古い襖紙を水で湿らせて、紙を剥がします。

02. 襖紙を捲って剥がし、表面の凹凸をヤスリがけします。


※表面に凹みがある場合はパテで下地処理します。

03. 新しい襖紙をカットして糊付けします。

04. 新しい襖紙を気泡が入らないようにはりつけます。

05. 襖紙の余分な部分をカットします。

06. 枠についた糊を拭き取り、引手等を取付けて完成です。

ダン襖の張替作業

ダンボールを重ねたものを芯材としている襖です。芯材がダンボールでできていることから本襖や戸襖よりも軽いのが特徴です。
※芯材がダンボールの為紙を張る時に使用する糊の水分の影響や乾く時に生じる紙の収縮により、芯材が木で出来ている本襖よりかなり反りやすい襖です。
ダン襖で張替の場合、反りの可能性軽減の為両面の張替をお勧めしております。両面の張替はあくまで現状維持・反り軽減の為のご提案であり、必ずしも反らないという処方ではございませんのでご了承くださいませ。
襖の特性上、1度反りが出てしまうと元に戻せない為、既に反りが出ているダン襖は本襖にて新規製作のご案内をさせていただく場合がございます。

01. 古い襖紙を捲って剥がします。(※注釈あり)

※襖の状態によって紙をはがす場合と、はがさずそのまま紙を上から重ね貼りする場合がございます。

02. 表面の凹凸をやすりがけします。

※凹みがある場合はパテで下地処理します。

03. 新しい襖紙をカットして糊付けします。

04. 襖紙を気泡がはいらない様にはりつけます。

05. 襖紙の余分な部分をカットし、枠についた糊を拭き取ります。

06. 引手等を取り付けて完成です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。襖の種類によって張替えの作業内容も違ってきます。
畳のミカタでは、襖用のビニールや汚れ防止用襖紙など、汚れに強いものも取扱がございます

襖は、張る紙により大きく室内の印象を変えることができます。
ご自身のイメージに合う紙に張替えていただきお部屋の雰囲気を一新してみてはいかがでしょうか。

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