前々回の記事でご紹介をさせていただきました「畳の構造」に関して、今回は「畳表」を詳しくご紹介させていただきます!
畳といえば、「心が安らぐい草の香りがするもの」が主流ですが、実は耐久性や機能性に優れた樹脂製・和紙製の物も人気です!
今回の記事を読むことで、畳表への興味関心が高まると嬉しいので、ぜひともご一読下さい♪
畳表(ゴザ)とは、畳の表面に縫い付けられる、直接肌に触れる部分を指します。
さまざまな種類があり、組み合わせ次第で幅広いニーズに対応できるようになっています。
畳表の種類
天然表
イ草を使用した畳表は、主に「引目」、「目積」、「琉球表」、「一松畳表」の4つが挙げられます。織り方によって見た目が少しずつ異なることはもちろんのこと、イ草の種類によっても部屋の雰囲気を変化させることができます。
人工表
(画像出典:畳|製品ラインナップ|和室の総合メーカー キツタカ)
イ草以外の樹脂や和紙を使用した畳表です。機能性が高くカラーバリエーションも豊富で、それぞれの好みに合わせて和の空間を作り出すことができます。
それぞれのメリット・デメリット
天然表
- メリット:イ草の香りやさわり心地が良く、癒し効果があります。空気の浄化作用や調湿効果もあります。
- デメリット:日焼けにより変色しやすく、カビやダニの発生に気を配る必要があります。
カビやダニが気になり始めたら、コラム「畳のお手入れって何をすればいいの?毎日手軽にできるお手入れ方法について」もぜひ参考にしてください!
「畳のお手入れって何をすればいいの?毎日手軽にできるお手入れ方法について」
和紙表
- メリット:カビやダニの発生率が低く、汚れがつきにくい。変色しにくいため美しさが持続し、デザインやカラーバリエーションも豊富なので、様々な部屋の雰囲気に対応できます。
- デメリット:イ草の香りや触り心地はなく、天然イ草のような素材感がないため通常より少し硬くなっています。一般的な天然表に比べて、メンテナンスの頻度は少ないですが、やや高価になります。
樹脂表
- メリット:和紙表同様、カラーバリエーションが豊富で、変色しにくく湿気にも強い。撥水加工がされているので、醤油等をこぼしてしまっても拭き取れる衛生的なものや、安全に配慮した機能をもつものもあります。
- デメリット:基本的には、和紙表と同じデメリットですが、樹脂表の方が柔らかく耐久性に優れています。
経糸(たていと)について
経糸とは、畳表を織る際に使用する糸を指します。上記の写真をご覧ください。イ草を緯糸に、糸を縦糸にして畳表が織られている様子がわかるかと思います。
経糸には綿糸と麻糸があり、麻糸の方が絹糸よりも丈夫。さまざまな組み合わせ方があるので、ご紹介します。
上から順に上質で高価。
- 糸引き表:綿糸を使用。伸縮性が高く切れやすいため、耐久性も低い。低~中級品に多く使われる。
- 麻引き表:麻糸を使用。糸引き表に比べて耐久性に優れている。国産表に多い。
- 麻綿W表:麻糸と綿糸の2本使用。上級品から下級品まで、幅広く使われている。
- 麻W表:経糸に麻糸を2本使用。畳表の中でも高級品のみに使用される。
経糸が丈夫であれば、それだけ多くのイ草を織り込むことができるので、上質な畳表を織ることができ、足あたりや肌触りも良く仕上がります。
まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
日本では畳表=畳の表面部分ですが、海外の一部の国では畳=畳表として、認識をしている国もあります。
このようにそもそもの捉え方が違うケースもあれば、畳表には天然表・人工表などの種類があることを知らないケースがあるなど、一つの構造を取り上げても面白さがとてもあるんです!
この機会にお手元にある畳を新しくしてみるのはいかがでしょうか?
天然表で心安らぐ香りに包まれるも良し、カラーバリエーションが豊富な人工表に変えて、お部屋の雰囲気をガラッと変えてみるのも良しですよ!
次回のコラムもお楽しみに!