近年の住宅は洋室が主流となり、畳のある和室が減少しています。
改めて畳の良さと畳表に使われるイ草(中でも国産のイ草)の良さを皆さんに見直していただきたいと思い、今回は和室の減少に伴う畳表の供給や生産の動向と、畳表に使われるイ草の生産農家の現状についてご紹介させていただきたいと思います。
畳表の供給
和室の減少に伴い畳表の供給量も減少傾向が続いており、令和3年以降は1,000万枚を下回っています。
国内自給率は平成8年の70%から大幅に減少しており、平成19年には21%まで減少していますが、平成19年以降令和6年にかけては20%前後での推移を続けています。

イ草の生産状況
畳表の需要の減少に伴い、イ草の作付面積も減少傾向が続いています。
平成18年の1,370haから年々減少傾向は続き、令和6年には319haとなりました。
生産農家数も平成18年の1,030戸から減少傾向が続いて、令和6年には266戸まで減少しました。

価格の変動
減少の傾向の続くイ草の生産や畳表の供給ですが、国産のイ草の畳表の価格は令和3年以降上昇傾向に転じています。
これは輸入品の減少や優良品種の導入による輸入品との差別化が進んだことが要因と考えられます。
平成8年~令和6年までの間で最も単価の低かった平成12年の1,016円から上昇と下降を何度か繰り返し、令和5年は2,221円、令和6年も2,212円と単価は期間内で最も上昇しています。
中国産の輸入品と比べると単価で約2.2倍の価格差があります。
農林水産省のHPもご参照ください。:igusa_tatami-omote-22.pdf
ここまでイ草や畳表の動向と生産農家の状況についてご紹介をさせていただきました。
ここからは国産と輸入品(中国産)のイ草の違いについてご紹介していきたいと思います。
選別作業
国産と中国産の違いを見分けるのは畳の職人でもなかなか難しいのですが、よく見てみるとイ草の太さや色にムラが国産よりも多く見受けられます。
これは、国産イ草の方がより丁寧に選別作業が行われているからです。
耐久性
また中国産のイ草は出荷後日本へ輸出する間にカビが発生することを防ぐ為に短時間で乾燥させており、イ草が乾燥しすぎて表面が脆くなりやすいとされています。
中国産は国産より収穫時期も早く、十分に成熟しない内に収穫されている傾向にあることから、耐久性の面で国産の品質が良いと考えられているのです。
しかし、近年は日本企業や技術者が中国のイ草生産に携わり技術が向上しているので、用途によって国産・中国産を選定するのがよいでしょう。
(例:小さなお子様がいて定期的に表替を前提とするお部屋は価格の安価な中国産、イ草の香りや風合いを長く楽しみたい場合は国産にする等)

中国のイ草栽培風景

中国のイ草刈り取り作業
最後に
今回は、主に国産のイ草や畳表についてご紹介をしてきました。
畳の歴史を見直してみると、日本固有の床材であり、茶道・華道等の日本文化とも密接な関係があります。
いま改めて畳・国産のイ草・国産の畳表の魅力を知ってご自宅の畳を見直してみませんか?
畳のミカタ.comでも中国産はもちろん国産のイ草の畳表も取り扱っておりますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。
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